#305 東京2020テストイベント READY STEADY TOKYO

THE SHOOTERS No.305 / 2021年9月10日発行 より抜粋

2021年5月16日(日)~2021年5月19日(水 ) : 陸上自衛隊朝霞駐屯地 朝霞訓練場

朝霞駅構内のポスター

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会主催による「東京2020テストイベントREADY STEADY TOKYO ‐Shooting」が、陸上自衛隊朝霞駐屯地 朝霞訓練場 にて開催された。

当初、新型コロナウイルス感染問題や仮設クレー射撃場の認可遅れなどから開催が危ぶまれたが、オリンピック本番を見据えたテストイベントを何とか実施しようと組織委員会と当協会のトップが4月末に会談を行い、急遽クレー射撃も実現するに至った。

本来であれば参加者の募集を行い予選会を実施する予定でいたが、GW期間中に出場者を決めなくてはならない状況となり、協会内で検討した結果昨年の全日本選手権上位選手から順に参加者を募る形となった。

テストイベントは東京五輪代表内定者4名を含む、トラップ18名、スキート18名が参加して行われた。

クレー射撃競技の日程は以下の通り。

●スキート
5月16日(日) PET(Pre-Event Training)
5月17日(月) 本選
5月18日(火) 本選、決勝、表彰式

●トラップ
5月16日(日) PET
5月17日(月) 本選
5月18日(火) 本選、決勝、表彰式

●トラップミックス
5月19日(水) 本選、決勝、表彰式

【スキート種目】

●1~2日間本選5ラウンド

前日練習はあったものの、まだスキートのセンターポールが準備出来ていないなど、選手も競技役員も初めての射撃場につき、多少戸惑いながらのスタートとなったが、2ラウンド目には満射が出るなどさすが全日本選手権上位者の実力を発揮していた。

計5Rの本選は満射を2回達成した折原研二選手が116点で1位同じく満射を2回達成した井川寛之選手が2位、以下丸山和成、脇屋昴、石原奈央子、柳英志選手がファイナルに進出した。

予選1位、折原研二選手

●ファイナル

ファイナル戦は本番さながらの選手入場やMCによる英語と日本語のアナウンスが流れ、会場を盛り上げていた。

選手紹介ではMCが石原奈央子選手を「イシハラナオキ」と紹介し石原選手は「おやっ」と首をかしげながらもガッツポーズをして周囲の笑いを誘った。その石原選手は第1ステージで敗退し6位。本選1位の折原選手は4位となった。

1点差で迎えたゴールドメダルマッチは、東京五輪代表内定の井川選手が丸山選手を振り切り優勝した。

テストイベントの目的はオリンピック本番を想定した競技会を行い、問題点や課題の抽出を行う事であるが、まだ本射撃場は準備過程ということもあり、当協会の大会役員や選手から本番に向けたさまざまな意見やアドバイスを得ることが出来た。

【トラップ種目】

●1~2日間本選5ラウンド

トラップ放出機ピットの放出口マークがまだ設置されておらず、急遽クレー標的を目印にするなど準備に追われながらも、1ラウンド目に井上裕之選手が満射を達成。

本番を想定して3面同時刻スタート。選手からも「とてもいい。本部公式でもやって欲しい」とリクエストがあった。

本選は大山重隆選手が1位通過、2位井上裕之選手、3位柿原健晴選手。5ラウンド目に満射を達成した二上勝友選手が4位、5位小原誠選手と続き、6位は競射の結果4ランウンド目に満射を達成した髙橋清選手が五輪代表内定中山由起枝選手に勝ちファイナル進出を決めた。

●ファイナル

大山重隆選手と井上裕之選手のゴールドメダルマッチは、競射までもつれ込んだが、最後は五輪代表内定の大山選手が優勝した。

【トラップミックス種目】

射撃中の中山由起枝選手

●本選3ラウンド

本競技は、東京五輪で初めて採用されるクレー射撃の男女混合団体種目。今回のテストイベントはトラップ種目に出場した選手18名がペアを組み(9組)競技を行った。本選3ラウンドの結果は大前有希、小原誠選手組が1位通過2位の中山由起枝、大山重隆選手組とゴールドメダルマッチを行うことになった。本選3位は井上裕之、永田英二選手組4位は柿原康晴、柿原健晴組となりブロンズメダルマッチを行うことになった。

●ファイナル

同日午後に開催されたファイナル戦は、あいにくの雨模様となり、選手は銃床をタオルで拭きながらの試合となった。ブロンズメダルマッチは柿原康晴14点、柿原健晴22点の計36点が、井上19点、永田16点の計35点を1点差で破って3位となった。ゴールドメダルマッチは中山由起枝21点、大山重隆22点の計43点が、大前有希18点、小原誠16点の計34点を振り切り優勝した。

【表彰式】

新型コロナウイルス感染防止対策のため、表彰式は差し出されたトレーに置いてある表彰状を自分から受け取る形式で行われた。

左より: 2位丸山和成、1位井川寛之、3位脇屋昴 各選手
左より: 2位井上裕之、2位大山重隆、3位柿原健晴 各選手
1位の大山重隆、中山由起枝ペア

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